壺齋散人の 映画探検
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ハハハ:ホン・サンス



ホン・サンスによる2010年の韓国映画「ハハハ」は、韓国人の日常生活をコメディタッチで描いた作品である。とくにこれといったストーリーはない。韓国南部の港町トンヨン(統営)を舞台に、二人の中年男が互いの境遇を慰めあうといったものだ。二人のうち一人は詩人で、もう一人は映画監督ということになっている。しかし彼らの職業意識はたまに吐露されるくらいで、映画の進行を支配するような迫力はない。映画を進行させるのは、男女の愛である。そういうわけでこの映画は、ラブ・コメディといった体裁をとっている。

詩人のチュンシクは、韓国を脱してカナダに移住するつもりである。そこで母親に別れを告げるためにトンヨンにやってくる。かれはそこで、昔なじみで映画監督をやっているサンギョンと出会う。サンギョンは妻と折り合いがつかなくて、放浪の途次たまたまトンヨンに来たところ、偶然チュンシクと出会うのだ。

チュンシクは、トンヨンの観光施設でガイドをしている女性が好きになる。その女性には恋人がいるのだが、その恋人は他の女とも付き合っている。その女性と恋人の男は、かねてチュンシクの母親と親しくしていた。いっぽう、サンギョンのほうは、別の女性と恋仲になる。できたら妻と離婚し、この女性と再婚したいと考えるようになる。

こういう設定で、いくつかの人間グループのもつれ合いが展開するというわけである。それがコメディタッチで描かれる。

舞台となったトンヨンは、釜山の西百キロくらいに位置する港町で、秀吉の朝鮮征伐の舞台ともなったところだ。ここに朝鮮側の大将李舜臣が本営をもうけたところから統営と呼ばれるようになったということだ。その李舜臣が、ファンタジーとして登場したりもする。朝鮮征伐は、日本人からすれば「征伐」だが、韓国人にとっては侵略者から国を守る国土防衛戦争であったわけだ。




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