壺齋散人の 映画探検
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モンスーン・ウェディング:インド映画



2001年のインド映画「モンスーン・ウェディング」は、典型的なボリウッド映画だ。ボリウッド映画というのは、歌と踊りをふんだんにとりまぜて、とになく賑やかで楽天的な娯楽映画といわれるのだが、この映画はその歌と踊りにセックスのスパイスを盛り込んで、賑やかな人間模様を繰り広げた作品である。

タイトルにあるとおり、結婚式がテーマである。それもモンスーンさなかの結婚式。インドでは、モンスーンの季節に結婚式をあげるのを好むそうなのだが、どういう理由かはわからない。この映画でも、人々はモンスーンを浴びながら歌ったり踊ったりする。日本人にはピんと来ないが、蒸し暑いインドでは、雨を体いっぱい浴びるのは、シャワーを浴びるようで、気持ちがいいのであろう。

インドの結婚式は、一大イベントだ。日本でも結婚式は華やかに催されるが、インドはその比ではない。花嫁の親は、財産をありったけをつぎ込んで、娘の一生の思い出にしてやろうと張り切るし、親族のすべてが集まってきて、結婚式を祝う。それに歌と踊りが伴うのは無論のこと、その踊りというのがセクシー極まる尻振りダンスなのだ。日本の結婚式場で卑猥な仕草をするのは無作法と受け取られるが、インドではそうではないらしい。男女の結婚がセクシーなのをみな知っているからだろ。

この映画の中の花嫁は、妻子ある男と不倫している。そのことを花婿に告白すると、花婿は当初怒りを表すが、気持を切り替えて受け入れるという。どういうつもりか。我々日本人には理解しがたいことだが、インド人にとっては、セックス経験の豊富な女と結婚するのは、よく耕された畑に種をまくようなものと思われるのかもしれない。

この新郎新婦の関係のほかに、イベント業者と花嫁の家のメイドとの愛、その花嫁の家族の親密な関係、花嫁の親族の一人が少女性愛者で、親戚中の一少女に猥褻行為を働くことなど、いろいろなエピソードがからんでいる。その挙句に、いよいよ結婚披露宴が始まり、人々がハメをはずして歌い踊るというわけである。

とにかく楽しい映画である。娯楽映画の鑑というべきかもしれない。そんなことが評価されて、ヴェネツィアで金獅子賞をとったそうだ。


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