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雲南の少女ルオマの初恋



2002年の中国映画「雲南の少女ルオマの初恋」は、雲南省に住む少数民族ハニ族の少女の恋を描いたものだ。ハニ族は、雲南省南部を中心に約140万人からなる少数民族で、ユニークな衣装や山間部の棚田が有名だという。この映画でも、主人公のルオマはハニ族特有の衣装を着て、ユニークなヘアスタイルをしているし、また棚田ののどかな風景も披露されている。

映画はそのルオマと、漢族の青年との初々しい恋を描く。ルオマは祖母と二人暮らしで、毎日祖母が用意したとうもろこしを背負い、町でそれを焼いて売っている。そんな折に一人の漢族の青年と出会い、やがて恋が芽生えるという展開だ。その恋はついに実ることはなかったが、ルオマにとっては生涯の思い出となった、というような筋書きである。

筋書きは単純そのもので、注釈の必要もないが、テーマが少女の初恋とあって、じつにみずみずしく、心を洗われるような場面が展開する。こういう素朴な恋は、かつてはどの民族の人々も体験していたはずだが、損得勘定の文明が広がって以来、雲南省の山奥といった文明とは無縁なところでしか見られなくなった。

監督の章家瑞は四川省の出身だそうである。四川省にもチベット系などの少数民族がいるはずだから、章家瑞にはそうした少数民族への理解があるのだろう。この映画は、ハニ族の生き方に対するかれの共感が伝わってくるような作品である。




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