壺齋散人の 映画探検 |
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たしかに、フランス映画には、ルネ・クレールやジャン・ルノワールのような、祝祭的雰囲気に富んだ非リアリズム的な流れと、フェデーやジュリアン・デュヴィヴィエのようなリアリスティックな流れがある。どちらが優れているかは、一概にはいえないが、フェデーがフランスリアリズムに大きな影響を与えたということは、歴史的事実として言えそうである。 ジャック・フェデーの代表作は「女たちの都」。スペイン軍にフランドルの一都市が占領される話を描く。臆病な男たちにかわって、女たちが占領軍をもてなす。その見事なもてなしに感心して、占領軍も手荒なことをせず、無事退去するというような話だ。これはベルギーを舞台にした映画だが、フランスを舞台にしたものとしては、「ミモザ館」がある。こちらは南仏のニースを舞台に、母親が息子にそそぐ愛情を描く。また、「外人部隊」は、アルジェリアを舞台に、流れ者の兵士と酒場の女将との人間的な触れ合いを描いたものだ。この映画は、ジャック・フェデーの映画の原点というべきもので、これを見ればフェデーがいかに人間の触れ合いにこだわっていたかがわかる。 「鎧なき騎士」は、イギリスに招かれて作った映画で、ロシア革命の一エピソードをテーマにしている。イギリス側の制作者には、原作の反ソ的要素を強調してもらいたい意向があったようだが、フェデーはあえてそうした政治性を除外して、純粋な恋愛映画に仕立てた。そこにもフェデーの心意気のようなものを感じ取れる。 ここではそんなジャック・フェデーの主要品を取り上げ、鑑賞のうえ適宜解説・批評を加えたい、 ジャック・フェデー「外人部隊」 北アフリカの外人部隊を描く ジャック・フェデー「ミモザ館」 母親の愛を描く ジャック・フェデー「女だけの都」 スペイン軍によるフランドル都市の占領 ジャック・フェデー「鎧なき騎士」 ロシア革命の一コマ |
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