壺齋散人の 映画探検 |
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マルセル・カルネの1936年の映画「ジェニイの家(Jenny)」は、カルネにとって監督デビュー作。かれはジャック・フェデーの妻だったフランソワース・ロゼーの紹介でフェデーに弟子入りしたのだったが、そのロゼーを主役として、この映画を作った。テーマは、初老の女とその娘の悲劇的な関係。 ロゼー演じる初老の女は、ジェニイと呼ばれて風俗営業の店の支配人である。彼女には若い恋人がいて、多額の金を貢いでいる。雇い主の男はそんな彼女を責める。だが彼女は男妾ジュリアンを手放すつもりはない。 そんな彼女のところに、娘が6年ぶりに戻ってくる。ロンドンで恋人ができたのだが、捨てられたのだった。理由は母親にあるらしい、と娘はさとる。 色々なことが起きたあと、娘とジュリアンが愛し合うようになる。娘が好色爺に絡まれているところをジュリアンが助けてやったのがきっかけだった。ジュリアンは娘を深く愛し、まともな生活をすると決意する。 そんな二人を見たジェニイは、自分の老いを感じ、なすすべをしらない、と言ったような内容である。映画のできは決して上等とはいえないが、フランスの庶民感情がよく表現されているのではないか。後に「天井桟敷の人々」で主役を演じるジャン・ルイ・バローが、端役で出ている。 |
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