壺齋散人の 映画探検 |
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マルセル・カルネの1937年の映画「おかしなドラマ(Drole de drame)」は、植物学者とスキャンダラスな小説家を兼ねる男をめぐる奇天烈な騒動を描く喜劇作品。この男はおかしな男としかいいようなないので、フランス人にはあるべくもなく、イギリス人ということになっている。じっさい男の名前はアーウィンと英語風であり、その妻もまたマーガレットと英語風の名になっている。 ミシェル・シモン演じる男は、植物学者としてはアーウィン・モリヌーという名だが、小説家としてはフェリックス・シャペルを名乗っている。名は英語風で姓はフランス風である。舞台はイギリスのベッドフォードということになっている。そのベッドフォードで、男の従弟ソベール(ルイ・ジューヴェ)が演説会を開く。目下評判の悪徳小説家シャペルを糾弾する目的である。そこにシャペル自身も招待され、自分が従兄によって糾弾されていることに驚く。ソベールはアーウィンの妻マーガレット(フランソワース・ロゼー)に会いたくてアーウィンの家を訪問。マーガレットはソベールが嫌いで会いたくない。そこで姿をくらます。それをソベールは失踪と受け取り、もしかして殺されたのではないかと疑う。 ソベールが警察を呼んだことで話は大げさになる。警察では誘拐殺人事件として捜査を始める。その犯人としてアーウィンが疑われる。しかし最後には疑いがはれて、元通りの生活に戻る、というような内容である。 肩のこらない人情喜劇といってよい。こういう軽快なタッチの映画がカルネの一つの持ち味である。この映画にも、ジャン・・ルイ・バローがチンピラ役で出てくる。このチンピラはマーガレットにゾッコン惚れこむ役柄である。サイドストーリーとして、アーウィンの家の女中エヴァと牛乳配達員ビリーの恋が描かれる。 |
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