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フランス映画「最強の二人」 金持と黒人介護人



2011年のフランス映画「最強の二人(Intouchables エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ監督)」は、金持の肢体不自由者とその介護人との人間的な触れ合いを描いた作品。介護人がマッチョな黒人男性というところが売り物だ。フランスはアフリカの旧植民地から多数の移民を受け入れているので、この映画に出てくるような黒人も珍しい存在ではないのだろう。

主人公の黒人は就職活動をしているところ、金持の肢体不自由者に気に入られ、かれの介護を担当することになる。黒人家族は複雑な関係で、非常に貧しい生活をしており、また問題行動を起こす子供もいる。一方金持の肢体不自由者は、パラグライダーの事故で全身麻痺になったということになっている。その初老の男を介護するのはなかなか骨の折れる仕事だが、しかし付き合っているうちに仲良くなる。互いに平等だという意識が彼らの関係を支えているのだ。

筋書きにはたいした変化はない。ただ、冒頭で車を猛スピードで飛ばす場面があり、そこから過去へさかのぼり、冒頭の場面まで来た時点からまた未来へとつながるという構成をとっている。アメリカ映画「フォレストガンプ」を意識しているのだろう。

最後には、金持ちも黒人の介護人も、それぞれ結婚して家庭を築くということになっているが、これはフランス式のハッピーエンドなのだろう。




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