壺齋散人の 映画探検 |
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宮本武蔵は、徳川時代初期に生きた剣豪であり、兵法家であるが、芸術家としての才能もあり、明治時代までは、すぐれた画家というイメージのほうが強かった。その宮本武蔵が、専ら剣豪としてイメージされるようになったのは、日本の大衆文学の歴史におけるもっとも成功した作家吉川栄治が、長大な小説で取り上げたことがきっかけだった。吉川栄治が宮本武蔵を主人公にした小説を、新聞に連載したのは、昭和十年のことだが、それからあまり時間をおかず、昭和十一年には、時の人気俳優嵐寛寿郎を武蔵にした映画が早くも作られた。 昭和十二年には、稲垣浩が片岡千恵蔵を武蔵にした作品を作り、これは五回のシリーズものになった。要するに宮本武蔵は、日本映画にとって、格好のヒーローだったわけである。吉川栄治の小説があらわれる以前にも、宮本武蔵をモチーフにした映画は作られていたから、宮本武蔵は、日本映画の時代劇にとって、なくてはならないキャラクターだったといってよい。 そんなわけで、宮本武蔵を主人公にした映画は、数多く作られた。そのなかで、映画としてもっとも成功しているのは、稲垣浩が三船敏郎を武蔵にして作った三部作と、内田吐夢が中村錦之助を武蔵役にした五部作である。とくに中村錦之助のシリーズはもっとも成功したものと言える。今日でも宮本武蔵と言えば、小生のような老人にとっては、中村錦之助の表情が思い浮かぶほどである。 ここではそんな宮本武蔵を描いた映画作品の中から、稲垣浩の戦後のシリーズものと、内田吐夢のシリーズものを取り上げて、鑑賞しながら適宜、解説と批評を加えたい。 宮本武蔵:内田吐夢 宮本武蔵 般若坂の決斗:内田吐夢 宮本武蔵 二刀流開眼:内田吐夢 宮本武蔵:稲垣浩 続宮本武蔵 一乗寺の決斗:稲垣浩 宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島:稲垣浩 |
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