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セロ弾きのゴーシュ 高畑勲が宮沢賢治の童話をアニメ化



1982年公開のアニメーション映画「セロ弾きのゴーシュ」は、宮沢賢治の有名な童話をアニメ化した作品。高畑勲が演出し、五年をかけて完成した自主制作作品である。原作の映画化はこれで四本目だが、もっとも完成度が高い。

原作どおり、下手なセロ弾きゴーシュと四種類の動物たちとの触れ合いのようなものを描く。原作と違うのは、動物たちと過ごした四日間に続く六日間の自主稽古がはぶかれていることで、ゴーシュは四日間で自分の課題を達成したというふうになっている。

全編ベートーヴェンの第六交響曲のパートが演奏される。それが、楽団のモチーフになっており、かつ、ゴーシュの稽古の曲目にもなっている。このアニメ映画の魅力は、音楽との一体感であろう。

四種類の動物のうち、最初に登場する猫は茶目っ気たっぷり、二番目のカッコーは気取り屋、三番目の狸の子は優等生ぶり、四番目の野ネズミの母子は謙虚なキャラクターとして描かれている。これは原作の雰囲気をそのまま可視化したものだ。

子どもにもわかりやすく作り上げている。なかなか見せ所のあるアニメ映画である。




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