壺齋散人の 映画探検
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野村芳太郎の映画:作品の鑑賞と批評



野村芳太郎は器用な人で、色々なジャンルの映画を作っている。なかでも得意なのは文芸作品の映画化で、とくに松本清張の推理小説を多く多く映画化している。「砂の器」や「鬼畜」はその代表的なものである。もっとも野村が映画界に存在感を示し始めるのはデビューしてからかなり経ってからのことで、それまではB級の娯楽映画ばかり作っていた。そんな野村がブレイクしたのは、1958年に松本小説の小説「張り込み」を映画化してからのことだ。それ以来野村は、自己の節目ごとに松本清張の作品を映画化している。

代表作は「砂の器」だ。これはハンセン病の患者をテーマにした清張の小説が原作だが、小説の持つ雰囲気を生かしながら、映像芸術としての映画の特色を最大限発揮しているもので、日本映画史に残る傑作である。その他に清張の作品を映画化したものとしては、「ゼロの焦点」、「鬼畜」、「わるいやつら」、「迷走地図」がある。とくに「鬼畜」は、一時社会問題となった子捨てを、清張らしき感性を込めて描いた短編小説だが、それを野村は骨太な映画作品に仕上げている。これもまた傑作といってよい作品だ。

一方野村芳太郎は、「拝啓天皇陛下様」のような、社会的な視線を感じさせる問題作も作っている。だが、そうした作品は野村にとっては寄り道のようなもので、彼の本領は、娯楽性に富んだ文芸的な匂いの作品にあるといえよう。中でも「配達されない三通の手紙」などは、推理小説的な醍醐味を盛り込んだ娯楽色の強い作品で、彼の面目がもっともよく伺われるものだ。推理小説といえば、野村の趣味でもあり、いつも推理小説を読んでは、それを映画化できないものかと考えていたそうだ。

ここではそんな野村芳太郎の作品をいくつかとりあげて鑑賞してみたいと思う。




張込み:野村芳太郎
拝啓天皇陛下様:野村芳太郎
砂の器:野村芳太郎
事件:野村芳太郎
鬼畜:野村芳太郎
配達されない三通の手紙:野村芳太郎



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