壺齋散人の 映画探検
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フィンランド映画:主要作品の解説と批評


フィンランドは、北欧諸国の中でユニークな存在だ。言語的にも文化的にも独自性を発揮している。地政学的に、ロシアと長い国境を接していることもあり、対ロ・対ソ関係に気を使ってきた。一時期、ソ連時代のロシアと非常に険悪な状態に陥った。その反省から、戦後長い間非同盟路線をとってきたが、ウクライナ問題をきっかけとして、NATOへの加盟の道を選んだ。再び、対ロ強硬路線に転じたわけだ。

フィンランド映画には、対ロ・対ソ関係を強く意識したものがある。「アンノウン・ソルジャー」は、第二次大戦におけるフィンランドの対ソ戦争を描いたものだ。この戦争は、ナチスドイツ側にたってソ連の領土を奪おうとするものだったが、ナチスが弱体化したことで、フィンランドも敗戦国になった。フィンランドは今回、NATOの威光を利用して対ロ牽制に出たわけだが、その結果がどういうことになるかは、神のみぞ知るである。

「アイアン・スカイ」は、ナチスの残党が月を根拠にして地球を攻撃するというものだが、地球側には当然フィンランドも含まれ、そのフィンランドがナチスの残党との戦いに参加するというような、都合のよい設定になっている。

そのほか、アキ・カウリスマキの社会派映画とか、「世界で一番しあわせな食堂」のように、フィンランド人と中国人の触れ合いを描いた作品もある。中国人へのプラスイメージは、おそらく一時的な現象で、これからNATOの中国敵視がつよまると、フィンランド人も中国嫌いになると思う。

ここでは、そんなフィンランド映画の主要作品をとりあげ、鑑賞しながら適宜解説・批評を加えたい。


アキ・カウリスマキ「過去のない男」:記憶喪失者の恋 

フィンランド映画「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」:ソ芬戦争を描く

アキ・カウリスマキ「希望のかなた」:フィンランドの難民問題

フィンランド映画「アイアン・スカイ」:地球人同士の宇宙戦争

世界で一番しあわせな食堂:フィンランド人と中国人の触れ合い

フィンランド映画「オリ・マキの人生で最も幸せな日」 世界チャンピオンに挑戦するボクサー




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