壺齋散人の 映画探検 |
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バルカン半島には、南スラブ系の民族が住んでいた。かれらは人種的にも同胞といってよく、言語もセルボ・クロアート語を話していたが、歴史的・宗教的な背景から、一つの国家にまとまり仲良く共存することがなかった。それに国家としてのまとまりを与えたのは、チトーによるユーゴスラヴィアの建設によってだった。チトー時代のユーゴスラヴィアは、社会主義を標榜しながら、ソ連とは違った体制をめざし、それなりに安定した体制を維持していた。ところがチトーが死ぬと、あっという間に解体への道を進んだ。皮肉なことに、ユーゴスラヴィアが解体した後のバルカン諸国は、質の高い映画文化を作りあげたのだった。 バルカン諸国の映画の最大の特徴は、チトー後の内戦をテーマにした作品が圧倒的に多いことである。バルカン諸国のうちでは、セルビアがもっとも映画作りの盛んな国だった。しかし、セルビアは、西欧諸国からは悪役にみられることが多く、セルビアの映画が正当に評価されるのはむつかしかった。 一方、セルビアと対立関係にあったボスニアの映画は、実像以上に高く評価されたきらいもある。バルカン諸国は政治的に対立しあうだけではなく、映画をはじめとした文化面でもとかく対立しがちのようである。 バルカン諸国の映画を代表する監督は、エミール・クストリツァである。かれはセルビア人とボスニア人を両親にもったので、比較的公平な視点で民族対立を描いている。しかし、クストリツァとは異なり、セルビアを悪者にする映画もある。 ここではそんなバルカン諸国(旧ユーゴスラヴィア)の映画を代表する名作をとりあげ、鑑賞しながら適宜解説・批評を加えたい。 ネレトバの戦い:ユーゴスラビアの映画 サラエボの花:民族紛争の傷跡 ビフォア・ザ・レイン:マケドニアの民族対立を描く 灼熱:クロアチアの民族対立を描く ノー・マンズ・ランド:ボスニア内戦を描く アイダよ、何処へ?スレブレニツァの虐殺 エミール・クストリッツァの映画 パパは、出張中!:エミール・クストリッツァ ジプシーのとき:エミール・クストリッツァ アンダーグラウンド:バルカン半島現代史 黒猫・白猫:エミール・クストリッツアァ ライフ・イズ・ミラクル:エミール・クストリッツァ オン・ザ・ミルキー・ロード:エミール・クストリッツァ |
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