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男はつらいよ寅次郎わが道をゆく:寅さんシリーズ第二十一作



「男はつらいよ寅次郎わが道をゆく」は、寅さんシリーズ第二十一作、公開は1978年夏。木の実ナナ演じる幼馴染のダンサーへの寅さんの慕情を中心にして、それに熊本の田舎者を絡ませている。武田鉄也演じるこの田舎者は、黒川温泉のとなりにある田ノ原温泉で百姓をやっていることになっているが、おっちょこちょいで惚れた女に振られっぱなし。振られることでは寅さんの大向うをはるというわけだ。

木の実ナナは巡回劇団のダンサーで、浅草の国際劇場で興行する。家に戻ってきた寅さんがそのナナにぞっこん惚れる。じつは寅さんは、武田を半面教師として心を入れ替え、まじめに働いたおかげで評判をあげ、縁談までもちあがっていたのだったが、ナナに惚れた寅さんは、縁談を放り出してナナの尻をおいかけ、国際劇場に入り浸る始末。そこへ熊本から武田がやってきて、これも国際劇場に入り浸ったあげく、住み込みで下働きをするようになる。武田の目的は器量のよい嫁を見つけることなのだ。結局その望みはかなわず、寅さんも恋に破れて、いつものように旅で心をいやす、といった内容である。

心を入れ替えてまじめになった寅さんが、ナナを一目見て心をざわつかすというのがこの映画の見せどころ。ナナに魅入られた寅さんのうつけた表情が何とも言えずリアルだ。

木の実ナナはこの時三十二歳だったが、さすがに年齢を感じさせる。彼女は大きな目が売り物で、決して美形とはいえないが、独特の愛嬌があって、根強い人気があった。小生も好きな女優の一人だ。


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