壺齋散人の 映画探検
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カバーガール リタ・ヘイワースのミュージカル映画



1944年のアメリカ映画「カバーガール(Cover Girl)」は、リタ・ヘイワースが踊り子を演じるラブ・コメディのミュージカル作品である。リタはこの頃にはすでに人気女優になっていたが、この映画でさらに人気が広がった。踊り子としての彼女が、米兵たちを前に踊る場面は、後にマリリン・モンローが行った米兵慰安活動の先鞭をつけたものである。当時はアメリカが参戦して国民の戦意が大いに高まっていたときだったので、その戦意にこたえるリタは、存在感を増したはずだ。

ブルックリンのカフェで踊り子をしているリタが、カバーガールになることをめざす。カバーガールとは雑誌の表紙をかざる女性のことだ。運よくカバーガールになったリタは、一躍有名人となる。ところが彼女はカフェのボスと恋仲だった。その恋仲があやうくなる、というようなストーリーだ。

ミュージカルなので、ストーリーよりも歌と踊りが見せ所だ。リタの踊りの相棒は、軽快なタップダンスで人気があったジーン・ケリー。ケリーを相手にして、リタは結構堅実な女を演じている。時代がそうした堅実な女のイメージを必要としていた。何しろ出征した兵士の妻が尻軽では、戦争の遂行はままならないのである。

この映画の中のリタは、赤毛を売り物にしている。彼女の地毛は暗い茶色、つまり栗色なのだが、赤毛のほうがイメージにあうというので、ヘアダイを施したそうだ。




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