壺齋散人の 映画探検
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アメリカ映画「ギルダ」 カジノに生きる男女



1946年のアメリカ映画「ギルダ(Gilda チャールズ・ヴィダー監督)」は、わけありの男女の恋を描いた作品。内容的にはたいしたことはないが、リタ・ヘイワースの代表作として記憶される価値はある。リタはこの映画に出演したころには、すでに人気女優の仲間入りをしていたが、この映画によって、セックス・ゴッデスとしての名声を確立した。

ブエノスアイレスのカジノが舞台である。そこでいかさまをやっていた主人公の男ファレル(グレン・フォード)が、いかさまがばれて殺されそうになったところを、別のカジノを経営するマンスンという男に拾われる。マンスンのカジノの支配人として、控えめに生きているところに、マンスンが結婚したばかりの妻を連れてくる。その妻というのが、ファレルの昔の恋人ギルダだったのである。

ギルダは、ファレルが忘れられず、なんとかよりを戻そうとする。ファレルは、ボスの女に手を出すわけにはいかない。だが、ギルダがファレルに色目を使っていることに気づいたマンスンは嫉妬する。

そんなわけで、三角関係の男女たちの生きざまがテーマになるわけだが、その三角関係はマンスンが殺されることで解消される。マンスンを殺したのは、ファレルと仲の良いポーターだった。

なんということもないストーリーだが、舞台となったカジノがドイツ人との間に因縁があったというのがミソである。アルゼンチンはナチスと深いかかわりがあり、戦後もナチの隠れメンバーが多く存在していたという。映画は、そんなドイツ人たちを登場させて、変化を持たせているフシがある。もっともドイツ人たちは、たいした活躍をするわけではないので、いささか拍子抜けのところはある。

この映画に取り柄があるとすれば、それややはり、リタ・ヘイワースのたまものだと思う。




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