壺齋散人の 映画探検 |
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1948年のアメリカ映画「カルメン(The Loves of Carmen)」は、プロスペル・メリメの小説を原作とした有名なオペラ作品を映画化したもの。もともとオペラとして有名になったので、数多く作られたカルメン映画は、だいたいがミュージカル仕立てになるところを、この映画は、ふつうのラブ・ドラマになっている。なぜそうしたかはわからない。カルメンを演じたリタ・ヘイワースは、「カバーガール」で美声を披露したくらいなので、ミュージカル仕立てでも十分こなせたと思うのだが、単なる恋愛映画になってしまった。 この映画の魅力はひとえにリタ・ハイワースの魅力に負っている。彼女は、「ギルダ」で見せたセックス・ゴッデスとしての魅力をこの映画でも十二分に発揮している。相棒のグレン・フォードは「ギルダ」に続くもので、この二人は実に息の合ったところを見せている。しかしリタが正式に結婚した五人の男には、フォードは含まれていない。 原題に The Loves of Carmen とあるように、複数の男と関係を結ぶカルメンの奔放な生き方がテーマである。こういう女は、ゲルマン系やスラヴ系ではあまり印象がよくないのだが、ラテン系の諸国では当たり前の生き方をする女として、受け入れられている。 オペラに潤いを与えていたメロディは一切取り入れられておらず、オリジナルな曲が流れる。そんなこともあって、この映画に「カルメン」の雰囲気を期待してもあてが外れた気持ちになろう。 |
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