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フランス映画「輪舞」 好色な男たちと尻軽な女たち



1950年の映画「輪舞(La Ronde)」は、オーストリアの作家シュニッツラーの同名の戯曲(ドイツ語では Reigen )を映画化したもの。原作は、複数の男女の恋のアヴァンチュールを描いている。まず兵士と娼婦のセックス、次はその兵士と女中、その女中とぐうたら息子、ぐうたら息子と浮かれ女房、浮かれ女房と夫、その夫とおてんば娘、おてんば娘と詩人、詩人と女優という具合にしてそれぞれのカップルのうち一方が別のパートナーと恋のアヴァンチュールと楽しむ、そして最後は、女優と伯爵とのかりそめの恋が語られる。それをフランス風に脚色したのがこの映画だが、なにしろフランスは好色な男と尻軽な女が多いとあって、いかにも真実らしく見えると言うのが、この映画の見せ所である。好色な白色人種には非常に相性が良いというので、繰り返し映画化されている。

八組の恋のアヴァンチュールが描かれ、それぞれが独立したシーンになっているので、全体を通した主役はいない。そのために、クレジット上は、登場する順番にしたがってキャスティング表示がなされている。最初の場面で出てくるイモーヌ・シニョレとセルジュ・レジャーニがトップ表示で、アンカーはジェラール・フィリップである。レジャーニとシニョレは二年後の映画「肉体の冠」の中でも共演した。また、ジェラール・フィリップとダニエル・ダリューは4年後の映画「赤と黒」で共演している。

フランス人がいかにセックスに寛容であり、そのため愛に積極的な国民性であるかということを感じさせる映画である。とにかくこの映画の中の男女は、日常生活の中の最も重要な要素としてセックスを位置づけ、チャンスがあればすかさずトライするのである。

輪舞というタイトルは、狂言まわしが操るメリーゴーランドをイメージしたものらしいが、複数の男女が繰り広げる恋のアヴァンチュールがあたかも輪舞を見るようだということを意味してもいるようである。




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