壺齋散人の 映画探検
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バス停留所 マリリン・モンローのラブ・コメディ



1956年のアメリカ映画「バス停留所(Bus Stop)」は、マリリン・モンローを主役にしたラヴ・コメディである。モンローは、前年の1955年にビリー・ワイルダーの「七年目の浮気」に出演して、演技派としてブレイクした。それに気をよくした彼女は、この映画でも演技派女優として認められたいと思い、演技の特訓を受けたりして撮影に臨んだという。だが、凡庸きわまりない筋書きで、演出も下手とあって、彼女は十分な活躍ができなかった。それでも、ただ尻を振るだけではなく、一個の女性としての魅力を伝えたいという彼女の気迫は伝わってくる。

モンタナのカウボーイ、ボー・デッカーが、アリゾナのフェニックスまでバスに乗ってやってくる。ロデオの大会に出場するためだ。かれはモンタナ一の牧場を所有しており、ロデオが得意なのだ。使用人を同行させている。その使用人とカフェに呑みにいくと、そこでマリリン演じる踊り子シェリーに一目ぼれする。すっかり夢中になったボーは、自分勝手にシェリーと結婚すると宣言する。シェリーが迷惑がるのを無視して、ロデオが終わったら結婚式をあげるつもりだ。シェリーは大いに困惑するが、ボーの熱心さにほだされて、最後には結婚を承諾する、といった内容である。

見どころは、ロデオのシーンだ。逃げようとするシェリーをボーは縄でからめとる。その様子が、子羊を縄で絡めとるのに似ている。そんな強引なやり方でも通じるのが、アメリカのアメリカらしさだといっているように伝わってくる。




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