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イギリス映画「マリリン七日間の恋」 映画製作の舞台裏



2011年のイギリス映画「マリリン七日間の恋(My Week with Marilyn)」は、マリリンが主演した1957年の映画「王子と踊り子」の制作舞台裏を描いた作品。その映画でサードの助監督をつとめたコリン・クラークの回想録をもとにしたものである。クラークはこの映画の製作中、マリリンとつかの間の恋を楽しんだと言っている。嘘かほんとかわからぬが、回想録がマリリンの人気に便乗した自己宣伝だったことは間違いない。

真っ裸のマリリンと池で泳いだり、睡眠薬で昏睡したマリリンを介抱したりと、きわどい挿話に満ちている。そのマリリンをミシェル・ウィリアムズが演じている。この女優は、顔つきはマリリンとあまり似ていないが、体つきが似ていて、結構セクシーな雰囲気を出すのがうまい。この映画が話題になったのは、マリリンのセクシーな面を人々に思い出させたためであろう。

ローレンス・オリヴィエ役をケネス・プラナーが演じている。プラナーはシェイクスピア劇の第一人者であり、舞台で演じるほか、映画も作っている。ローレンス・オリヴィエの再来と言われているので、そのオリヴィエを演じることは、かれにとって満足だったのではないか。もっともこの映画の中のオリヴィエにはまったくいいところがない。

映画としては傑作とは言えない。というか凡作のたぐいである。マリリン人気に乗じたゴシップ映画といってよい。いまだにゴシップのたねに使われるのだから、マリリンもいい気はしないだろう。




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