壺齋散人の 映画探検 |
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北野武といえば、本業はお笑いだが、映画ではどういうわけか暴力ばかり描いた。その北野が、暴力映画に限界を感じて、もっと別のジャンルに可能性を求めたらしいのが、この「監督・ばんざい!」だ。北野にとっては13本目の作品だが、この作品で北野は、自分の持ち味であるお笑いの世界にもどった。 とにかく、理屈なしに面白い。北野流お笑いのエッセンスが満ち溢れている。特に北野の分身である人形を登場させて、それに大活躍させているのがよい。この人形は映画の冒頭で北野の代理として登場し、健康診断を北野に代わって受けるのだが、医師からは人形ではホントのことがわからんので、実物を連れてこいと言われる。そこで映画の最後に実物の北野が出てきて、脳のスキャン画像をとったりするのだが、その結果医師の診断は、お宅は壊れているというものだった。 まあ、こんな具合に北野らしい他愛もないギャグがあいかわらず盛りだくさんだし、それに北野得意のアクションシーンも豊富だ。腹を抱えて笑いながら、あとにはすっきり何も残らないという、喜劇の正当な精神を踏まえた非常に質の良い爆笑映画である。観客は二時間近く爆笑させられるので、顎がはずれないよう用心したほうがよい。 一応筋書きらしいものはあるが、爆笑映画にとっては筋書きは本質的な要素ではない。そういうわけで筋書きに触れることはしない。 |
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