壺齋散人の 映画探検 |
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ルネ・クレールの1945年の映画「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」は、インド人の少年をテーマにした動揺「十人のインディアン・ボーイズ」を下敷きにしたアガサ・クリスティの推理小説を映画化した作品。原作は、知的なゲームを楽しむエンタメ小説だが、クレールはそれを彼一流の軽妙なタッチで映画化した。 童謡の歌詞の通りに事件が進んでいくというのがミソである。八人の人間が船で離島にやってきたあと、彼らの泊まったホテルで不可思議な殺人事件が続発する。八人にホテルの執事夫婦を加えた十人が、ひとりずつ死んでいくわけである。生き残った人間は、そのたびにパニックになる。外部の人間が犯人だとは考えられないから、この中にいる誰かが犯人に違いないと皆が思う。 そういう状況の中で事態は進展し、二人だけが残った時点でどんでんがえりが起きるというような内容である。 クレールには、純粋に楽しむことを狙った作品群と、社会批判の意を込めた作品群があるが、これは純粋な楽しみに特化した作品である。サスペンス映画としてよくできているし、また役者の演技もさえている。 |
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