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シェルブールの雨傘:フランス流ミュージカル映画



1964年のフランス映画「シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)」は、フランス流ミュージカル映画である。ミュージカルはイギリスが発祥で、英語圏では人気のある演劇分野だが、フランスでは盛んではなかった。そんなこともあってこのミュージカル作品には、なにかとってつけたような不自然さを感じる。それでも当時は世界的な評判となり、カンヌでグランプリをとったほどだった。それにはミシェル・ルグランの音楽が大きな役割を果たしたといえる。

シェルブールは、ノルマンディー半島の先端にある港町。画家ミレーと縁が深いところだ。その町に住む若い男女の恋の破綻がテーマである。カトリーヌ・ドヌーヴ演じる若い娘が、恋人の子を妊娠したにもかかわらず、兵役にいった恋人の帰還を待ちきれずに、他の男と結婚するという内容だ。日本人にはちょっとありえない話に聞こえるのだが、フランスでは、こういうことは日常茶飯事らしい。われわれ日本人には、子供を腹のなかに抱えながら、他の男を受け入れるというのは、ほとんど信じられない。その信じられないことが、ごく当たり前におこるのが、フランスのフランスらしいところだろう。

とにかく、小生のような謹厳な日本人には、ドヌーヴ演じる娘は尻軽でかつ気まぐれにしかうつらない。こんな女を相手に恋をするのは、波打ち際に砂で城をつくるようなものだ。

この映画は、ドヌーヴにとって出世作となった。この時ドヌーヴは21歳になっていたが、映画のなかでは16歳の娘ということになっている。それが不自然に思えないほど、この映画の中のドヌーヴは若々しい。




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