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新海誠のアニメーション映画「すずめの戸締り」 自然災害との戦い



新海誠の2022年のアニメーション映画「すずめの戸締り」は、若い男女の冒険物語。かれらの冒険とは、日本中に発生する自然災害を防ぐことだ。だから、かれらは日本中を移動する。移動先で発生しつつある自然災害を、なんとか鎮静させる努力をする。その努力はだれにも評価されないが、自分たちの力によって多少とも日本が守られれば、その努力は報われたことになるだろう、というようなメッセージが伝わってくる作品である。

並の冒険物語とは違って、お膳立てが奇想天外である。自然災害が発生するのは、その災害を防止している仕掛けがこわれたためで、災害の抜本的な防止には、その仕掛けを回復させねばならない。その仕掛けというのは、災害がやってくる扉を要石がふさぐというのものだ。ところが、ひょんなことからその要石がはがれてしまい、しかも猫に変身する。その現場に立ち会っていたのが、一組の若い男女だった。17歳の女子高校生と、教員になることを目指している大学生だ。二人は九州の宮崎で出会い、その後旅を重ねて東北まで移動する。それも、大学生のほうは、猫の呪いで小さな椅子に変身させられてしまうのだ。

かくして、椅子に変身した大学生と、宮崎の女子高校生がコンビを組んで、要石の仕掛けを回復する作業に取り組む。その過程で、各地で起こる災害の鎮静化に努力する、といったような内容である。

椅子に変身するというのが、奇抜なアイデアとはいえる。自然災害の恐ろしさについては、東日本大震災をイメージしているのであろう。




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