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イギリス映画「恋の骨折り損」 シェイクスピア劇のミュージカル化



2000年のイギリス映画「恋の骨折り損(Love's Labour's Lost)」は、シェイクスピアの同名の喜劇を映画化した作品。ただし、時代設定を第二次世界大戦勃発前後に設定し、ミュージカル仕立てにしている。時代設定をなぜそんなふうに替えたのか、その意図がわからない。原作のとおりのほうが、ずっとよかったのではないか。

ミュージカル仕立てだから、歌の雰囲気も楽しめる。シェイクスピア劇には、音楽的な要素はないといっていいので、これは非常に気のきいた演出だと思う。もっとも劇中で歌われる曲はほとんどがスタンダードナンバーの借り物で、オリジナルなものはない。

とはいえ、原作自体が単純にできているので、歌と踊りを取り入れることで、退屈さを紛らわすことはできている。また、原作のもつ祝祭的な雰囲気も十分に感じさせる。原作は、単純ながら、シェイクスピアの喜劇に顕著な祝祭的な雰囲気をたっぷり感じさせるのだ。

この映画を監督したケネス・プラナーは、ローレンス・オリヴィエの再来と言われるほどのシェイクスピア役者だそうだ。役者をやるだけではなく、この映画をはじめ、様々なシェイクスピア作品を映画化・舞台化している。この映画では、主演もつとめている。




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