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ジョン・フォード「三人の名付親」:愛すべき悪党たち



ジョン・フォードの1948年の映画「三人の名付親(3 Godfathers)」は、「アパッチ砦」のすぐ後に作られたもので、いわゆる「騎兵隊三部作」の合間に、息抜きのように作られた作品だ。西部劇としては非常にユニークである。西部劇というのは、たいがいが、インディアン殺しか白人の悪党退治をテーマとしたものだが、この映画は、悪党を描きながら、それを愛すべき人間として描いている。どうも、こういう映画を見せられると、白人というのは、たとえ悪党であっても愛すべき存在なのだという、白人の独りよがりな態度が伝わってきて、鼻持ちならぬ気分にさせられる。

三人の泥棒仲間が、ある町で銀行強盗を働く。三人はやり手の保安官から追われる身になるが、その逃亡中にある女性が産気づいているのを助け、赤ん坊を無事出産させたうえで、その子の名付け親になり、死んだ母親を埋葬したのちに再び逃走の旅に出る。なにしろ水も不足するような状態で、三人のうち二人は死んでしまい、生き残ったジョン・ウェインが赤ん坊を抱いて町に現れ、保安官夫婦に赤ん坊をあずけて、自分はいさぎよく縄にかかるというような内容である。

じつに人を食った筋書きであり、しかもほとんどありえないようなことを、さもまともらしく描いている。フォードがどういうつもりでこんな映画を作ったのか。ただの愛嬌のつもりなのか。なお、この映画は、ハリー・ケアリーに捧げられているが、ケアリーはフォードのサイレント時代の常連俳優である。そのケアリーの息子が、この映画に出ている。




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