壺齋散人の 映画探検 |
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1940年のアメリカ映画「フィラデルフィア物語(The Philadelphia Story ジョージ・キューカー監督)」は、キャサリン・ヘップバーンを一躍人気女優にのし上げた出世作である。アメリカ人好みのロマンス・コメディだ。金持で尻軽なアメリカ女が、男たちを相手に性的遊戯を楽しみ、あげくは自分の欲望を実現するといった内容である。主人公のアメリカ女を演じたキャサリン・ヘップバーンはこの時三十歳を超えていたので、彼女にとっては遅咲きのスター誕生だったといえよう。 金持の娘で離婚歴のあるトレーシー(ヘップバーン)が、成金の凡夫と結婚するというので、スパイ雑誌がそれを記事にしようと考える。そこで、ジェーズム・スチュアート演じる作家コナーと女性カメラマン、エリザベスが取材に派遣される。といって、いきなり邸内に入ることができるわけではない。そこで、トレーシーの前の夫デクスター(ケーリー・グラント)が一役買う。デクスターは、トレーシーの父親のスキャンダルを暴いた記事を書き、それと交換に彼女らの結婚を取材する許可を取るのだ。 かくして、トレーシーを核にして、コナー、デクスター、トレーシーのフィアンセ・ジョージらの間で、ひと騒ぎが起きるというわけである。その騒ぎの果てに、トレーシーはコナーと結婚するのではなく、デクスターとよりを戻すというような内容である。 実にたわいない筋書きで、ただただトレーシーを演じたヘップバーンの演技ぶりでなりたっているような映画である。この映画の迫力のおかげで、キャサリン・ヘップバーンはまずセクシー派の女優としての名声が先行することになる。 |
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