壺齋散人の 映画探検 |
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ルネ・クレールの1942年の映画「奥様は魔女(I Married a Witch)」は、クレールがアメリカで作った映画である。かれは、1935年に「幽霊西へ行く」をイギリスで作ったのち、フランスで映画を作ることなく、アメリカにわたって作るようになった。この「奥様は魔女」は、アメリカでの第二作である。 テーマは、魔女と結婚する男の話。のちにテレビドラマとして人気を博したシリーズの先駆けというべきものである。テレビドラマでは、主婦となった魔女が魔法を駆使して活躍するさまを描いていたが、この映画は、魔女と人間の男とが出会って結婚にいたる過程を描いている。 270年前に火あぶりにされた魔法使いとその娘が、人間界に舞い戻って、自分たちを火あぶりにした男の子孫に復讐しようとして、かえって男の魅力のとりことなった娘の魔女が、万難を排しながら男と結婚するさまを描く。かれらはただの霊魂なので、そのままでは人間界で生きるわけにはいかず、別の人間の体を借りて生きることにする。父親はさえない老人の姿になるが、娘は魅力的な女性の姿となる。その魅力を存分に発揮して男の気持ちをつかむというわけだ。 そんな具合で、肩のこらないコメディタッチの作品となっている。クレールはもともとコメディが得意だったので、かれのその方面の才能が発揮された作品ということになろう。 |
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