壺齋散人の 映画探検
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ロベルト・ロッセリーニ:映画の解説と批評


ロベルト・ロッセリーニ(Roberto Rossellini)は、ヴィットリオ・デ・シーカと並んで、イタリア・ネオレアリズモの巨匠と言う評価が高い。ネオレアリズモの特徴は、政治性にあると言われるが、ロッセリーニは最も政治性の高い映画を作った。「無防備都市」と「戦火の彼方」は、ナチスドイツと戦う連合軍・イタリアパルチザンの英雄的な姿を描いたものだし、「ドイツ零年」は、ナチスのみならずドイツ人全体に、非人道的な行為への反省を迫るものだった。普通、余りに政治的な映画は、芸術作品としては失敗するものだが、ロッセリーニの場合には、芸術と政治の微妙な関係を、それこそ微妙なテクニックを用いて調和させたといえるだろう。

ロッセリーニは、政治的な作品のほかに、純粋に映画として楽しめる作品も作った。「神の道化師フランチェスコ」はその代表的なものだ。これは、アッシジのフランチェスコとして知られる中世の聖人の生き方を描いたものだが、聖人を描いているにかかわらず、かなり世俗的で開放的な雰囲気を感じさせる映画である。

ロッセリーニの映画人としての後半部分は、イングリッド・バーグマンと結び付いている。世紀の美女と言われたバーグマンは、なかなか意欲的な女性で、かねがねロッセリーニの姿勢に共感していた。そこで彼女は自分から売り込んで、ロッセリーニ映画に出演したのだった。1950年の作品「ストロンボリ」から1954年の「不安」まで、四年間に六本のロッセリーニ作品に出演している。

バーグマンを主役に据えた映画においても、当初はネオ・レエアリズモ風の映画を作った。「ストロンボリ」や「ヨーロッパ1951年」はその傑作というべき作品だ。だが、すでに「神の道化師」に見られていたエンタメ的な傾向が、「イタリア旅行」でも表面化し、「不安」に至っては、ヒッチコック流のサスペンス系のエンタメ映画となっている。バーグマンがロッセリーニに愛想づかしをした理由はいろいろあるようだが、かれの映画がエンタメ化することについて、彼女が堕落したと受け取った可能性はある。

ここではそんなロッセリーニの代表的な作品をとりあげ、鑑賞の上適宜解説・批評を加えたい。


無防備都市(Roma città aperta)

戦火の彼方(Paisà):ロベルト・ロッセリーニ

ドイツ零年(Germania anno zero)

ストロンボリ:ロベルト・ロッセリーニの映画

神の道化師フランチェスコ(Francesco Giullare di Dio

ヨーロッパ一九五一年:ロベルト・ロッセリーニの映画

イタリア旅行:ロベルト・ロッセリーニの映画

不安:ロベルト・ロッセリーニの映画



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