壺齋散人の 映画探検
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ポルトガル映画 代表作の鑑賞と解説


ポルトガル映画は、隣国のスペインの映画と比べて、地味な印象がある。1930年代から結構映画作りが盛んだったというが、日本にはなじみがない。ポルトガル語圏は、ブラジルを含めれば一億人以上の人口を擁し、それなりの映画市場をもっていると思われるのだが、なぜか日本人には縁が薄かった。

日本でポルトガル映画の存在を知らしめたのは、マノエル・デ・オリベイラである。この人は変わった人で、70歳以降に本格的な映画つくりに取りくみ、出世作といえる「家路」を作ったのは93歳のときのこと。遺作となった「家族の灯り」は103歳の作品である。そうした作品は、高齢で作ったこともあって、あまりセクシュアリティを感じさせない。だが、そのことは、ポルトガル映画自体がセクシュアリティを軽んじていることを意味しない。セックス過剰な映画もある。「熱波」はその最たるものである。

ポルトガル映画には、ドキュメンタリーの傑作が多いといわれ、「ヴァンダの部屋」はその代表的なものである。これはポルトガル庶民の飾らない生活を描いたもので、なかなか見栄えがする。

ポルトガルは、スペインに劣らない観光国なので、ポルトガルを舞台にした観光案内的な映画も作られてる。ヴィム・ヴェンダースが作った「リスボン物語」とか、世界遺産の街シントラを舞台にした「ポルトガル」などがその代表的なものである。

ここではそんなポルトガル映画の代表作をいくつか取り上げ、鑑賞の上適宜解説・批評を加えたい。


マノエル・デ・オリベイラ「家路」:老俳優の日常

マノエル・デ・オリベイラ「夜顔」:ブニュエル「昼顔」の続編

マノエル・デ・オリベイラ「家族の灯り」:家族の崩壊

ポルトガル映画「熱波」:ポルトガル人女性の奔放な生き方

ペドロ・コスタ「ヴァンダの部屋」:リスボンのスラム街で生きる人々

ポルトガル、夏の終わり:世界遺産シントラが舞台




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