壺齋散人の 映画探検
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ミュージカル映画:名作の鑑賞と解説


ミュージカルは、ロンドンで花開き、ブロードウェーで円熟し、ハリウッドでスクリーンに移植された。20世紀は映画の世紀と言ってよいが、ミュージカルは20世紀の映画の花として世界中の人々に喜ばれた。

ミュージカルは音楽を主体とするものであるから、映画に取り入れられるためには、トーキー時代を待たねばならなかった。ミュージカル映画が最初の黄金時代を迎えるのは1930年代のことだが、その時代はトーキーが本格的に作られた時代だったのである。1930年代を代表するミュージカル映画としては、フレッド・アステアのステップダンスを盛り込んで一連の作品とか、「オズの魔法使い」に代表されるようなファンタスティックな作品群があげられる。

「オズの魔法使い」は1939年の作品で、一部にカラー映像が取り入れられていたが、1940年代以降には、本格的なカラー時代がおとずれ、ミュージカル映画はいっそう多彩なものになっていった。

ミュージカル映画が、全盛期を迎えるのは1960年代である。「サウンド・オブ・ミュージック」、「メリー・ポピンズ」、「マイ・フェア・レディ」など、ミュージカルの歴史に輝く名作・大作が多く作られた。また、「ウェスト・サイド・ストーリー」のような社会的な問題意識を感じさせる作品も作られたが、それはその時代のアメリカ社会の雰囲気を反映したものであった。

1970年代以降、ハリウッドのミュージカル映画は、やや停滞する時期に入った。映画自体が、娯楽の王者としての地位を失ったという事情も働いたが、その映画にアメリカン・ニューシネマに代表されるような新しい波が押し寄せ、ミュージカルがかつてのような魅力を感じさせくなったこともある。

21世紀にはいると、「シカゴ」とか「レ・ミゼラブル」といった作品が人気を集め、ミュージカル映画の新たな発展期に入ったと思わせた。この時代のハリウッド・ミュージカルは、「レ・ミゼラブル」のように、ロンドンとニューヨークで同時的に人気を博している舞台を映画化したものが多い。

ここではそんなハリウッド・ミュージカルの歴史的名作と呼ばれるものを取り上げ、鑑賞しながら適宜解説と批評を施したい。


ミュージカル「トップ・ハット」:フレッド・アステアのタップダンス

ミュージカル「オズの魔法使い」:竜巻に乗って冒険する少女


ミュージカル「巴里のアメリカ人」:ガーシュインのジャズクラシック

ミュージカル「雨に唄えば」:ジーン・ケリーのダンスと歌

ミュージカル「バンド・ワゴン」:落ち目の大スターの復活

ミュージカル「王様と私」:東洋人への陳腐なステロタイプ

ミュージカル「ウェスト・サイド物語」:人種間の対立・抗争

ミュージカル「マイ・フェア・レディ」:花売り娘を淑女に鍛えあげる

ファンタジー・ミュージカル「メリー・ポピンズ」:素敵な魔女

ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」:家族合唱団

ミュージカル「キャバレー」:ライザ・ミネリの魅力

ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」:迫害されるユダヤ人

ミュージカル「ラ・マンチャの男」:ドン・キホーテの冒険

ミュージカル「スター誕生」:女性歌手の成功物語

ミュージカル映画「オール・ザット・ジャズ」:演出家のセクシーな生き方

ロブ・マーシャル「シカゴ」:人殺し女たちのミュージカル

ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」:ジャンバルジャンとコゼット

ミュージカル「オペラ座の怪人」:美女に思い焦がれる怪物



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